主丸本「マリッジブルー」サンプル
2026/01/18(Sun)18:59
2026.1.25に開催されるTOKYO FES Jan.2026 アナザーコントロール 26の新刊サンプルです。
主人公(暁 透流)にプロポーズされたところから始まるふたりの結婚にまつわる話。渋沢とモルガナも出てきます。
主人公(暁 透流)×丸喜 コピー本/16p(表紙込)/全年齢/200円(イベント価格)
通販はBOOTHでやる予定です→https://rafflesian.booth.pm/
以下本文サンプルです
さっき食べた魚のムニエルがこってりとしていて、それで胸焼けを起こしたのかもしれない。窓からは眼下に空中庭園が広がる雰囲気の良いレストランだった。
もうすぐバレンタインも近いしと誘われるままにやってきた。何だかいつもと様子が違うことには気がついていた。けれど、まったく予想もしていなかったことだった。
「丸喜。俺と結婚してください」
僕は言葉を失った。
「結婚って言っても男同士で籍を一緒にはできないから気持ち的な面が強いけど……パートナーシップ制度に申請して、親しい人だけ招いてパーティーをしたいなって思っている」
その言葉とともに僕の目の前で小箱を開いた。シンプルなデザインの銀の指輪にダイヤが埋め込まれている。差し出された時、色んな思い出がフラッシュバックした。留美のご両親が血を流して倒れている。留美が病院のベッドの上で混乱したまま叫んでいる。僕は何もできないまま立ち尽くしていた。
「受け取ってくれるか?」
とっさに返事ができなかった。うまく呼吸ができない。冷や汗がにじむ。
「ごめ……ンっ!」
「丸喜……?」
胸にせり上がってくるものがあって、席を立ち、トイレにかけこんだ。
中で嘔吐した。何度もせり上がってくるものを出してしまう。吐ききっても汗が止まらない。水で口をゆすいで呼吸を整えていると。透流君が心配そうに様子を見に来てくれた。
彼にした返事はこうだった。
「………ごめん。結婚なんて考えてなかった」
我ながら最悪の返事をしてしまったと思う。
そうして僕は婚約指輪を受け取ることができなかったんだ。
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