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ラフレシ庵+ダブルメガネ


スパーク新刊「ラブコール」サンプル

2016/09/19(Mon)19:24




10/9に開催されるCOMIC CITY SPARK11の新刊サンプルです。
前回の本が自分で書いときながら胸が痛む話だったので、今回はだいぶ糖度高めです。
「期間限定」の続きですが、前作を読んでなくても問題ない話です。

付き合ってるふたりが高校三年生の間、遠距離恋愛をする話。テレフォンセックスしたり、ビデオチャットしながら大人の玩具を使ったり、再会した後のいちゃいちゃなど、エロ多めです。

A5/50p/¥500(イベント価格)/デジタルレーザー/R18

とらさん通販→

本分サンプルは↓のつづきからどうぞ~
(R18部分が載せられないブログなのでそれ以外の部分のサンプルになります。エロ部分のサンプルはとらさんやピクシブでどうぞ)




孝介が八十稲羽に住んでいた冬、告白されて想いを告げられた。厳密に言うと、お試しでつき合うことになって、その後に本当に想いを告げられた。
お試しでつき合っていた頃はとまどいもあった。そもそも孝介は相棒で親友で、俺にとって特別な存在だったから、そこに更に恋人って枠まで加わるなんて思いもしなかったんだ。でもデートしたり傍にいて孝介の想いに触れるたび、自分の中にあった感情を自覚して、その名前の付けられない気持ちは日増しに強くなっていった。
俺が風邪をひいたある日、自分の気持ちを確かめたくて初めて俺の部屋で孝介を誘ってエッチした。あの時の熱、においが今でもまだ残っているような気がしてシーツに鼻をこすりつけた。あの時はっきり自覚した。俺は孝介のことが好きなんだって。
「こう…すけ…」
その後色々あって、お互いの気持ちを再確認した俺たちは正式に付き合うことになった。
桜が咲き、散っていく季節に孝介は転校し、もとの学校へ戻っていった。ゴールデンウィークも八十稲羽に遊びに来てくれたけど、とんでもない事件が起こってしまって恋人の逢瀬らしい時間はほとんど持てなかった。
夏休みになって孝介がこちらに滞在するようになると、再会したその日にふたりで高ぶって一緒にラブホテルに駆けこんだ。今では笑っちゃうようないい思い出だ。
その後はお互いの部屋で誰もいない隙に抜き合ったりエッチしたりした。なかなかふたりきりにはなれなかったし、お互い受験生としてやるべきこともある。だからエッチをしたのはまだ片手で数えられる程しかない。だけど、あふれ出しそうなふたりの想いが溶け合っていくような体験は今でも思い出すと身体の奥が熱くなるくらい俺の身体にしっかりと刻まれている。
「ん……ぅ」
夏休みが終わるとともに孝介は都会に戻っていった。淋しいけど仕方ない。学部は別だけど孝介と同じ大学に絶対受かってみせる。そう宣言して、孝介が乗る電車を見送った。
だから今は猛勉強をしている。けど、その合間に抜きたくなるのは生理的にどうしようもないことで。



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十二月、冬休みが始まると、陽介は都内にある予備校のセンター試験前に行われる最後の山当てポイント講義に参加することになった。その間は俺の家に寝泊まりすることになり、そうなったら俺たちが時間を惜しんで触れ合うことは必然で。
俺の部屋に腕を引っ張って連れ込むと、ベッドに押し倒して無我夢中でキスをした。
「ん………ン………ッ」
甘い吐息を漏らしてキスを受け入れる陽介はやがてまぶたを開け、とろんと熱っぽい眼差しで俺を見上げた。瞳の中に俺を映しているのがただそれだけのことなのにひどく嬉しい。
手のひらで頬にそっと触れた。柔らかくて、あったかい。ずっとこの熱に触れたかった。愛しの君はくすぐったそうに、でも嬉しそうにその手に自分の頬を擦りつけてくれた。
陽介の衣類の清潔なにおい。整髪料の爽やかなにおい。そして陽介自身の癖になるにおい。肩口に鼻筋をくっつけて思い切り吸い込む。
たまらなくなって身体をぎゅっと抱きしめた。
「あー、本物の陽介だ………………」
ふはっと息を吐いて陽介が笑った。
「俺もそんな感じ。やっと本物の孝介に逢えたなーって」
陽介も背中を抱き返してくれて、愛しさがいっそう募る。モニター越しに言葉を交わすのも楽しいけど、やっぱりこうやって直に触れられるのに勝るものはない。
髪を撫で、額をくっつけ合って、またキスをする。すると陽介が困ったみたいに眉をハの字にした。
「どーしよ…なんか頭ん中………お前のことばっかで、必死で頭に詰め込んだ単語とか公式、ぜんぶ忘れちまいそう……」
「陽介はやれるだけのことは全部やってきた。努力は結果を裏切らないから大丈夫。ずっとお前の勉強を見てきた俺が言ってるんだ、間違いない」
それに適度なストレス解消にも付き合ってきたしな?そう茶化すと、陽介は笑わずに真剣な表情で言った。
「………マジでお前がバックアップしてくれたから、ここまで来れたって思ってる。ありがとな」
陽介はここ一年でぐんぐん成績が上がっている。もともと陽介は頭の回転が速くて物事のポイントを押さえるのが上手い。だから問題の着眼点を教えたりヒントを与えると、すぐに理解して解き方をマスターできる。模試の志望校判定も順調に伸びていて、合格圏内まできている。
「お前は無事に俺と同じ大学に受かる。俺が保証する」
そう告げると、陽介は目を一瞬丸くして、おかしそうに笑った。
「なんでそんな偉そうなんだよ。………でも、お前が言ったら本当になりそうだな」
「ああ、陽介ならよっぽどのこと………そう、たとえば腹を出したまま寝ちゃって風邪ひいて全然試験に集中できないとか、当日雪に足を滑らせて車道に転がって交通事故に遭うとかなければ大丈夫………うん………」
「おま!ちょ、マジでありそうなこと言わないでくれます?つか、受験生に滑るとか転ぶとか禁句だかんな!」
 陽介は拗ねたように腕を押して抱擁から逃れ、そっぽ向いてベッドに寝転がった。
本当に陽介ならありそうで、この冗談は自分で言っておきながら笑えない。まあ俺の方は陽介の第一志望の大学に推薦入学が決まっているから時間も空いたし、これからも全力でサポートし、当日も試験会場に付き添えば事故の方も大丈夫だろう。
そう思っていると、陽介が背中を向けたまま言った。
「俺さ………お前とつき合い始めの頃は、恋人になったばっかなのに遠距離恋愛なんて淋しいし絶対ムリって思ってたんだ」
 顔を覗き込むと寂しそうな表情を浮かべていた。



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