【主花】夢見る未来
2023/04/28(Fri)05:26
主花Webオンリー「Let's go buddy!!」開催おめでとうございます。
会場が主花の結婚式場で、そこから発想を得てSSを書きました。
本文はつづきのリンクからどうぞ。
ぼんやりとした頭で、ただ幸福に満たされていた。
ああ、もう相棒のことが気になる女子たちを牽制しなくて済むんだ。
だって、俺の薬指には相棒から贈られたリングが嵌まっている。
相棒とおそろいのリング。
これを見たら、誰だって約束の証だと思うだろ……?
「………け………ようすけ。陽介?」
「…………ふぇ…………?」
声がだんだんクリアになっていく。
するとその声の主が大好きな相棒だとわかる。大学生になっても変わらず整った顔立ち。俺の学部の子から飲み会に相棒を連れてきてほしいという誘いも多い。「あいつ、高校時代からの恋人がいるみたいだぜ?」と遠回しに断るのが大変で…………。
「あれ?」
視界の先、自分の薬指にあるのは見慣れたプレーンリング。八十稲羽で武器を買う足しにしてほしいと相棒に渡し、相棒が元いた学校に戻る前に律儀に返してくれた思い出のリングだ。
「食堂でそんなに眠っちゃうなんて昨夜、遅くまでレポートを頑張っていたんだな。なんか幸せな夢でも見てた?」
プレーンリングの向こう側で、相棒が俺をのぞきこんでいた。
ああ、夢だったんだ。
「陽介、大丈夫?」
心配そうな顔をされ、自分の目から涙がこぼれていたことに気がついた。
「ごめ……なんか幸せな夢、見て。でも現実じゃなかったんだなあって……」
俺、結婚願望とかあったんだ。いや、相棒との絆の証が欲しかったんだろうか。
恥ずかしくて相棒には打ち明けられない。
「どんな夢だったんだ?」
優しくて落ち着きのある大好きな声。今に不満があるわけじゃない。相棒は俺のことをとても大事にしてくれている。だけどやっぱり同性同士だからこの関係を公にはできない。いや、正々堂々と「コイツ、俺のだから」と戦う勇気がないからこんな夢を見るんだ。
「恥ずいから……ヒミツ」
たとえ現実で相棒からリングが贈られたとしても、やっぱり薬指につける自信がない。
知人や両親には無理でもせめて大事な仲間たちの前で俺たちの関係を打ち明けられる勇気を得たい。
「なあ、相棒」
「うん?」
ちゃんと起き上がって相棒に向き直る。
「今度、八十稲羽に帰る時……俺たちの関係、ちゃんと仲間には伝えたい」
相棒は大きく目を見開いた。
「良いのか?」
「うん。きっとアイツらなら受け入れてくれるんじゃないかって思う。すっげー緊張するけど」
「ああ。俺が傍にいるから不安にならなくて良い」
相棒の力強く頷いてくれて勇気が湧いてくる。
「いつか……いつかさ。俺たちが自分の稼ぎで飯が食えるようになったら」
その時までには相棒の隣にふさわしい男でありたい。
「お揃いの指輪、買いにいかない?」
「陽介……。まさか先を越されるなんて思わなかった」
相棒は嬉しそうに頷いた。
「ああ。そのつもりだ」
すると俺たちの近くにいた席の女の子グループが真っ赤な顔をして俺たちを見ていた。思わず頭を抱えた。公衆の面前でナニを言ってるんだ俺たちは。
噂はあっという間に駆け抜け、学内の相棒を狙っている子達からいっさい誘いをかけられることがなくなった。視線をめちゃくちゃ感じるし恥ずかしいけど……相棒は「これで陽介への誘いを遠回しに断る必要がなくなった」ってニコニコしてるし。
まあ結果オーライってことで…………。
会場が主花の結婚式場で、そこから発想を得てSSを書きました。
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ぼんやりとした頭で、ただ幸福に満たされていた。
ああ、もう相棒のことが気になる女子たちを牽制しなくて済むんだ。
だって、俺の薬指には相棒から贈られたリングが嵌まっている。
相棒とおそろいのリング。
これを見たら、誰だって約束の証だと思うだろ……?
「………け………ようすけ。陽介?」
「…………ふぇ…………?」
声がだんだんクリアになっていく。
するとその声の主が大好きな相棒だとわかる。大学生になっても変わらず整った顔立ち。俺の学部の子から飲み会に相棒を連れてきてほしいという誘いも多い。「あいつ、高校時代からの恋人がいるみたいだぜ?」と遠回しに断るのが大変で…………。
「あれ?」
視界の先、自分の薬指にあるのは見慣れたプレーンリング。八十稲羽で武器を買う足しにしてほしいと相棒に渡し、相棒が元いた学校に戻る前に律儀に返してくれた思い出のリングだ。
「食堂でそんなに眠っちゃうなんて昨夜、遅くまでレポートを頑張っていたんだな。なんか幸せな夢でも見てた?」
プレーンリングの向こう側で、相棒が俺をのぞきこんでいた。
ああ、夢だったんだ。
「陽介、大丈夫?」
心配そうな顔をされ、自分の目から涙がこぼれていたことに気がついた。
「ごめ……なんか幸せな夢、見て。でも現実じゃなかったんだなあって……」
俺、結婚願望とかあったんだ。いや、相棒との絆の証が欲しかったんだろうか。
恥ずかしくて相棒には打ち明けられない。
「どんな夢だったんだ?」
優しくて落ち着きのある大好きな声。今に不満があるわけじゃない。相棒は俺のことをとても大事にしてくれている。だけどやっぱり同性同士だからこの関係を公にはできない。いや、正々堂々と「コイツ、俺のだから」と戦う勇気がないからこんな夢を見るんだ。
「恥ずいから……ヒミツ」
たとえ現実で相棒からリングが贈られたとしても、やっぱり薬指につける自信がない。
知人や両親には無理でもせめて大事な仲間たちの前で俺たちの関係を打ち明けられる勇気を得たい。
「なあ、相棒」
「うん?」
ちゃんと起き上がって相棒に向き直る。
「今度、八十稲羽に帰る時……俺たちの関係、ちゃんと仲間には伝えたい」
相棒は大きく目を見開いた。
「良いのか?」
「うん。きっとアイツらなら受け入れてくれるんじゃないかって思う。すっげー緊張するけど」
「ああ。俺が傍にいるから不安にならなくて良い」
相棒の力強く頷いてくれて勇気が湧いてくる。
「いつか……いつかさ。俺たちが自分の稼ぎで飯が食えるようになったら」
その時までには相棒の隣にふさわしい男でありたい。
「お揃いの指輪、買いにいかない?」
「陽介……。まさか先を越されるなんて思わなかった」
相棒は嬉しそうに頷いた。
「ああ。そのつもりだ」
すると俺たちの近くにいた席の女の子グループが真っ赤な顔をして俺たちを見ていた。思わず頭を抱えた。公衆の面前でナニを言ってるんだ俺たちは。
噂はあっという間に駆け抜け、学内の相棒を狙っている子達からいっさい誘いをかけられることがなくなった。視線をめちゃくちゃ感じるし恥ずかしいけど……相棒は「これで陽介への誘いを遠回しに断る必要がなくなった」ってニコニコしてるし。
まあ結果オーライってことで…………。
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No.315|主花SS|Comment(0)|Trackback